梅と健康
中国原産ですが、外国には少なく、代わりにアンズが果樹として栽培されています。
したがって梅は東洋的な花木といえ、日本の庭には必ずといってよいほど植えられてきました。昔は実を薬用としたもので、今でも梅酒は愛飲されています。また、古くからの民間療法としては数知れず、梅干しは「万病に効く」とされてきました。植物の中で健康への貢献度は最大級と思われますが、以下にその効果をご紹介します。
漢方薬:杏蘇散
適応される症状:せき、痰
効能:せき、痰、むくみ、気分がふさぐ、気管支炎、汗が出ていない
椒梅湯
適応される主な症状:回虫の駆除
効能:回虫駆除
生薬:ウバイ(鳥梅)
薬用部位は未熟果実を使いますが、青梅を燻製にしたものが生薬になります。
クエン酸を含み、下痢止め、解熱、咳止め、去痰に用いられます。
また、風邪にはウバイを水洗いしたものを煎じ熱いうちに飲むと効き目があります。
梅肉エキス
青梅の絞り汁を凝縮したものですが、食中毒の薬として利用されます。
また、ウバイ一個をとろ火で煎じて飲用。これは消化器系伝染病に強い殺菌力があり、健胃、食あたり、暑気あたりなどに良く効き、旅行などの常備薬として役に立ちます。
梅干し
健康食品の代表ですが、解熱、鎮痛作用があり、含まれるクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸が多いため、清涼感があって食欲を増進し、唾液や胃液の分泌を促進するので健胃薬ともなります。
完熟手前の青梅を塩で漬けて、日に干してからシソの葉で漬け、赤く染めてから、今一度天日で干します。
梅酒
疲労回復、血行促進、食欲増進がありますが、梅に含まれるクエン酸やビタミン、ミネラルなどには疲労を回復する効果があるといわれています。疲労は乳酸が溜まることでおこりますが、クエン酸はこの乳酸を分解する働きがあります。
また、酸っぱさの原因であるクエン酸には殺菌効果、抗酸化作用、デトックス作用が期待できます。殺菌作用によって雑菌g繁殖するのを防げれば、ニキビや吹き出しものなどを予防できます。腸内に毒素が溜まると体内に巡り肌トラブルの原因になるので、デトックス作用で腸内環境を整えることが重要です。
美肌のために肌の老化を抑える抗酸化作用も期待できます。美容に欠かせないミネラルも豊富に含んでいるため、ヘアケア効果も期待できます。
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